未来博士工房とは?

未来博士工房とは

未来博士工房の歴史

文部科学省の特色ある大学教育支援プログラムの特色GP(Good Practice 体験型実践教育)として、2007年(平成19年)に、日本大学理工学部から申請した「未来博士工房による自律性と創造力の覚醒」が採択された。
これは、学生達が本来持っている自律性と創造力を呼び覚まし、実践力と学問的能力を発展させる場として未来博士工房を提供するものである。
これには、1963年に木村秀政教授が卒業研究として当時は無謀と言われていた人力飛行機の研究を開始した流れを引き継いだ「人力飛行機工房」や、同様に挑戦を続けて来た「衛星工房」(後に両者は一体化して「航空宇宙工房」となる)、「PC(コンピュータ)工房」、そして「ロボット工房」が中核となって活動を開始した。
その後、文部科学省の大学教育・学生支援推進事業 大学教育推進プログラム(通称教育GP)として、2009年(平成21年)に「気づかせ教育による社会還元力と学士力保証」にも採択され、「フォーミュラー工房」、「物理学プロジェクト工房」、「交通まちづくり工房」、「電気エネルギー環境工房」「川の環境保全プロジェクト教育工房」「ブリッジ工房」が随時加わり、再編等が行われつつ、現在のように未来博士工房の活動が拡大した。
この「未来博士工房」の「未来博士」は学問的飛躍の重要性、「工房」は工学の基礎となる技術力の向上を意味しており、具体的に実際に活動する場である「共通工房」をも提供しつつ、共通の活動の場として参加する学生達で連日賑わっています。
また、初年次から3年生までの活動成果が顕著で優秀な学生には「学生博士賞」を贈り、その努力を讃えます。
これは日本大学理工学部学生のあるべき姿「科学者・技術者として有意義な大学生活」を具現化しているものと考えられ、重要な教育ロールモデルとして、ますますの発展を期待しているものです。

「未来博士工房」で育つ力

「未来博士工房」でのプロジェクトワークのモデル

「未来博士工房」で習得できること

気づかせ教育による社会還元力と学士力保証

広く社会に通用する「創造型技術人」の育成

日本大学理工学部は以前より実践力を重視した教育を実施してきた。
この伝統の上で、さらに学生の自主的な学習の動機付けを行うために、最も重要な初年次にインセンティブ、スタディ・スキルズ教育を実施し、知的好奇心の大幅な喚起に成功している。
加えて、特色GP「未来博士工房」(平成19年度採択)での技能と学問の融合したものづくり教育が、幅広い学びを保証し、学生の自律性と創造力の覚醒を促し、大きな実績を上げてきた。
しかし、広く実社会に通用する力を養うには、特に「広くものごとに気づく力」と「社会へ還元する力」の観点からの工夫が重要である。
そこで、本学部での技能と学問の融合教育、豊富な高大連携の実績と、東京湾岸域、沖縄、韓国やタイなどの大学、地方自治体との「都市計画」や「環境づくり」などの広域教育連携での成果を活かし、学生の自律性や創造性に基づいた、技能と学問の融合した『ものづくり教育』において、技術の基本である安全・信頼性概念への「気づき」、技術の蓄積と普及のための「知恵の継承」、技術を活用して「社会へ還元」する力をさらに進化させ、環境や経済性、持続性に配慮した社会システム構築の概念や、地域共生社会の在り方への「気づき」、社会に役立つ技術やシステムを提案、周知できる素養の育成までを取り込んだ『もの・ことづくり』の教育シナリオに基づいた「気づかせ教育」と、社会のニーズと学問的シーズの適合を強く意識した「社会還元型プロジェクト」の実践により拡大発展させる。

具体的な方策

●実践力、人間力、コミュニケーション能力を養うための「実社会でのフィールドワーク」
●大学院生や高学年生による低学年や高校生への「教えながら学ぶ実習」(技術者教育実習)
●世代を超えた協調性や創造性、社会的倫理観、論理的思考能力を養うための「プロジェクトワーク」
●「失敗や安全知を糧にした成功体験の達成」(PDCAシナリオ)に基づいた高大連携教育の実施

取組の具体的な目的と方策

  1. 1. カレッジインターンシップによる高大連携プロジェクト教育
    • ものづくりや地域共生プロジェクトといった社会的創作活動への関与を通じて、早い段階からの目的意識や課題探求能力の育成
    • 高校から大学初年次教育へのシームレスな導入
  2. 2. 初年次教育における安全倫理教育の導入(安全知教育の実質化)
    • 広い視点からの安全倫理とその概念の習得(社会安全、倫理学、情報倫理、工学倫理、安全工学)
    • 社会貢献の意義や論理的思考力の育成
  3. 3. TAやSAの積極的活用による高大連携教育や社会還元型プロジェクト教育の運用
    • 「教えながら学ぶ」経験による創造的思考力やコミュニケーション能力向上
    • 社会還元型プロジェクトを推進できる教育力は理系離れ抑制の原動力となる
    • 学生ピアサポートシステムの整備・充実
  4. 4. 社会還元型プロジェクトのシナリオづくりを通じた教育の推進
    • 理解しやすく興味・好奇心を持続出来るシナリオづくりの積み重ねによる全教員による教育の推進

社会還元型プロジェクト事例

●下田市での交通実態調査と提言
●タイ、チェンマイ市における交通問題改善の提案
●「ひらめき☆ときめきサイエンス」による研究成果の社会還元(文部科学省、平成18〜21年度連続採択)

社会還元型プロジェクト事例