交通システム工学科
交通まちづくり工房
気づきと実践:
社会還元型の学生プロジェクト
交通まちづくり工房とは
「交通まちづくり工房」は、地域が抱えている交通問題を自治体や地域の方々などと一緒になって考え、解決を図ろうとする実践的な取り組みです。具体的には,交通現象解析や交通流理論などの授業で学ぶ交通データの収集・分析・活用方法、授業で学ぶ計画の立案・評価方法、道路工学などの授業で学ぶ交通施設の設計方法といった多くのカリキュラムの中で習得した知識や技術を実際のフィールドに適用し、交通を中心とする持続可能な「交通まちづくり」の構築とその実践を目指すものです。学生は、実際のフィールドを訪れ、活躍されている卒業生との連携のもと、学んできた調査方法等を活かして交通問題を抽出し、解決策を検討します(“気づき”)。また、自治体や地域住民、また海外の大学とのワークショップを通して交通まちづくり計画案の改善を重ね(“実践と気づき”)提案することで”社会還元”を目指しています。
交通安全プロジェクト
安心安全のまちづくりへの貢献を目指して、日本大学理工学部の船橋キャンパスに隣接する習志野台地区の住民の方々と連携して、生活道路の安全対策の検討を行っています。具体的には、学生が自ら踏査や観測調査した結果を住民の方々や船橋市の方々に提示し、住民・大学・行政が協働した交通安全対策の実施等の社会還元活動を中心に行っています。
国際まちづくりプロジェクト
国際まちづくりプロジェクトでは、実際に海外の諸都市において交通調査を実施し、魅力のある交通まちづくりの方向性を企画します。これらの企画立案、プレゼンテーションは諸外国の現地の大学生と共同で行っており、英語によるコミュニケーション能力の育成が併せて促進されています。これまで海外の5都市で活動してきた関係性を活かして、コロナ禍でもオンラインを併用しながら学生間の交流活動を行っています。
地域活性化プロジェクト
地域活性化プロジェクトでは、本学科とゆかりのある都市や自治体との連携のもと、中心市街地や地域コミュニティの活性化に向けて、地域と協働しながら交通の観点から様々な提案活動を行っています。例えば、静岡県富士宮市などでは、コミュニティバスに地域の様々な情報やMaaS (Mobility as a Service :「マース) を意識した交通案内などを提供する情報案内を学生が自作し、実際に導入されたことで利用者の利便性の向上や地域コミュニティの活性化などに成果をあげています。
コンクリートカヌープロジェクト
コンクリートカヌープロジェクトではコンクリートでカヌーの製作や、そのための基礎実験として材料実験を行い、常にコンクリートカヌーの性能向上を探求しています。その過程では、ものづくりの楽しさ、カヌー完成の達成感、材料実験による多くの気づきを得ることなど、充実した活動を行うことができるプロジェクトです。具体的には、軽量化や施工性の向上に向けた材料の配合を検討する実験、高い精度の形状寸法のカヌー製作や形状検討のための3Dプリンターを活用した模型製作などの活動を中心に行っています。
鋼橋プロジェクト
鋼橋プロジェクトは、橋梁模型の計画、設計、製作を通して、ものづくりの楽しさや実構造物が完成するまでの一連の流れを学ぶ活動をしています。具体的には、毎年9月に開催される日本鋼橋模型製作コンペティション(JSBC)に向けた橋梁模型の計画、設計、製作を行い、完成した鋼橋模型を桜理祭やオープンキャンパスなどで展示・公開することで広くものづくりの楽しさを知って頂く活動をしています。
社会還元へ
交通まちづくり工房の活動の成果は、自治体や地域住民、学会での成果の発表、また海外の大学とのワークショップや現地での行政や住民へのフィードバックを通して、様々な形で社会還元されています。このような実践的な社会還元を通して、学生は新たな発見から(気づき)、交通エンジニアに一歩近づいていきます。
フィールド
●静岡県伊豆の国市
●千葉県市原市、船橋市、八千代市、君津市、いすみ市 など
●タイ・バンコク市、コンケン市 など